二人目でも産後うつの症状に!チェック法と治療法とは?
自分の子供はかわいい。
誰が何と言おうと とにかく何をしていてもかわいいし、
まさに目に入れても痛くない存在。
でも、
疲労困憊の中での夜中の3時間おきの授乳、
常に睡眠不足で眠りたくても泣き止まない、
家事をするにも置けばグズグズ、抱っこのし過ぎで手は腱鞘炎・・・
そんな何もかも思い通りに出来ない24時間を
ギリギリの精神状態で毎日過ごしているうちに、
抱っこをやめて何も見ないフリをして
泣き声に耳をふさぎたくなってしまう事、
ありませんか?
それって「産後うつ」のはじまりかも知れません。
約4割もの母親が経験している産後うつ。
“もしかして?”と思ったら、出来るだけ早い治療が必要です。
そして、産後うつは治療で必ず治ります。
今回はそんな産後うつの治療法や 症状・原因や予防について
詳しくご紹介します!
Contents
産後うつはいつまで続くの?3つの治療法とは?
産後うつは産後約1~2ヶ月ほどで症状が出はじめ、
3ヶ月から1年もの間苦しむケースが多いようです。
治療をしなくても1年以内には改善する事が多いのですが、
放置しているその期間に夫との関係が悪くなったり、
赤ちゃんの発達に影響したり、
最悪の場合は幼児虐待につながるケースもあります。
そして、放置して治れば良いのですが
そのまま一過性ではない「うつ病」に移行してしまうケースもあります。
産後うつは期間が短いほど他への影響も少なくて済みますので、
抵抗があっても必ず診察・治療を行ないましょう。
どこで治療するの?
- 産後うつの専門家である心療内科・精神科がベスト
- かかりつけ医や保健師があれば相談
- 出産した産科や地域の子育て支援センターへ相談
- 緊急時には救急外来を受診
3つの治療法
うつの重症度によって異なりますが、
治療には3つの方法が有効とされています。
- 自分でできること(セルフヘルプ)、身近な人の協力でできることを試す
- 専門医での対話療法、カウンセリング
- 薬物治療
それぞれどのような治療法なのかを詳しく見てみましょう!
(1)自分でできること(セルフヘルプ)、身近な人の協力でできることを試す
まずはとにかく一人で悶々と抱え込むのではなく、
共感してもらえる人に話してみましょう。
答えが出なくても、
ただただ現状や気持ちを吐き出すだけで かなりスッキリしますし、
気持ちの整理がつきやすくなりますよ。
<自分でできること>
- 一人で抱え込まずに困っていることを、旦那さんや家族、友人などに話してみる
- 昼夜を問わず、できるだけ睡眠や休息を取る
- 規則正しく食事をとる
- 楽しめる時間やリラックスできる時間を持つようにする
- 地域にある新米ママや産後の女性のためのサポート・グループに参加する
- 家事や買い物、子供の世話を他の人に助けてもらう
- 運動する
- 産後うつ病の女性をサポートしている団体に連絡する
- 産科や地域の子育て支援センターなどに相談にいく
- 自分や旦那さん、親しい友人や家族を責めない ・飲酒したり自己判断での薬を使用しない
<パートナー、家族、友人によるサポート>
- 時間をかけて本人の気が済むまで否定せずにひたすら話をきく
- 産後うつ病の診断結果に、ショックを受けたり落胆しないようにする
- 本人に必要な治療や支援を受けるよう促す
- 買物や、授乳、おむつ替えなど身の回りのことを手伝ったり、家事を代わりにする
- 産後うつについて向き合ってよく話をする
(2)専門医での対話療法、カウンセリング
医師による対話療法を行うことで、
人に話すことによって気持ちが楽になります。
対話療法のひとつである認知行動療法では、
本人の思考や行動のパターンがどのようにうつの症状に
つながっていくのかを探っていきます。
過去を振り返ることでうつ病を理解していく治療法も効果的な場合があります。
(3)薬物治療
上記のカウンセリングで改善が見られない場合は、
薬の力を借りることになります。
<抗うつ薬>
産後うつ病が重症であったり症状の改善がみられないときには、
抗うつ薬が効果的な場合があります。
ただ、抗うつ剤に依存性はありませんが副作用もあるので、
服用中に授乳する場合には、より安全性の高い抗うつ薬を使用します。
抗うつ薬が効き始めるのに少なくとも2週間かかり、
調子が良くなってからも約4~6ヶ月継続して服薬する必要があります。
<その他に有効な治療法>
ハーブ薬の「セント・ジョンズ・ワート」は、
軽度から中等度のうつに効果があるということが科学的に証明されています。
日本の有名メーカーからサプリメントとしても販売されているので
気軽に購入することができます。
ただし、服用中の授乳に関しては、
安全と断言できるだけの十分な情報が無いようですのでご注意を。
また、ホルモン療法にはほとんど効果はありませんし、
ホルモン剤自体、身体に害があることがあります。
不安やイライラが止まらない・・・これって産後うつの症状?
そもそも産後うつの症状ってどんなものなのでしょうか?
このような症状の傾向が少しでも見られる場合は、
産後うつになりかけているのかもしれないという自覚をもち
重症化しない内に対策を!
産後うつの症状チェック表
- 不安になったりイライラしたりする
- 子どもが寝ているときですら眠れない
- 食欲がわかない(もしくは、気晴らしのため暴食する)
- 申し訳ないと感じ、マイナス思考になる
- 物事を楽しむことができない
- 生きていてもしょうがないと感じる
- 育児や身の回りのことができない
産後うつによく似た症状で「マタニティブルー」というものもあります。
マタニティブルーの場合はホルモンバランスの崩れが原因で
産後3~5日目からはじまり、10日目くらいまで続きます。
特徴はとにかく短期間で症状が現れて消えてゆく一過性の症状ということ。
それで終わればいいのですが、 その後の様々な原因でマタニティブルーの症状が重く加速し、
産後うつになると、ホルモンバランスの乱れによる一時的なものではなく
本格的な「心の病気」という扱いになり、治療が必要になります。
二人目でも発症するの?
実は一人目の時に産後うつにならなかった人も
二人目では発症してしまったというのもよくある話なんです。
中には三人目の子供までは何ともなかったのに、
四人目でなぜか産後うつになったという人も・・・!
二人目の場合は、上の子供の世話もあり
ちょうどその子がイヤイヤ期だったり、
赤ちゃん返りしてしまったり、
赤ちゃんがせっかく眠ったところに物音を立てて起こしてしまったり・・・
二人いる事によって大変な事の方が多いんです。
「一人目で育児は経験して慣れているから大丈夫」と油断せず、
「二人の育児をするのは初めてだから、完璧に出来なくて当たり前」
と考えるようにしましょう(*^^*)
主なキッカケはホルモンの激動によるもの
産後うつには様々な原因があると言われていますが、
引き起こすキッカケとなるのがホルモンの激しい変化です。
女性ホルモンの激動期は一生のうちで2回あり、
それは出産後と更年期の時期と言われています。
妊娠によりホルモンが大きく変化して、
自律神経に影響を及ぼし情緒不安定やうつになりやすく、
出産後も胎盤の排出、母乳の分泌、子宮収縮など
それぞれに様々なホルモンが分泌されることにより
ホルモンの変動ラッシュのような状態になります。
そして、ホルモンが乱れて精神的に不安定になっているところに、
お産の疲れや子育てのプレッシャー、母乳へのこだわり、
里帰りから自宅に戻って周囲に頼れる人がいなくなったり、
睡眠不足や疲労、旦那さんへの不満などが重なり
産後うつに移行しやすくなります。
また、産後うつになりやすいのは
- 妊娠前にうつ病にかかったり心の健康に問題があった経験がある人、
- 妊娠中にうつ病や不安障害になった人、
- 周りからのサポートが得られない人
などが多い傾向にあります。
心配な人は事前に相談できる先を探しておいて、
出産後も症状が発症する前段階から話を定期的に聞いてもらい
「溜まらない工夫」をすることをオススメします!
旦那さんや家族に思いっきり頼ろう!
産後うつはまだまだ分かっていないことも多く
予防法も確立されていませんが 次のことは予防に効果があるとされています。
- 頑張りすぎて疲れ果ててしまう程の『完璧主義』であろうとしない
- 妊娠中の女性や新米ママなど境遇の近い人と親しくする
- 話し相手を見つける ・母親学級・両親学級に参加する
- 友人や家族が助けてくれるのであれば、それを受け入れる
- うつ病になったことのある人は、かかりつけ医や保健師と密に連絡を取る
※うつ病の兆候を早期に見つけてもらえます - 妊娠前からうつ病治療をしている場合、妊娠中もうつ病の治療を続ける
- 妊娠前から抗うつ薬を使用している場合、妊娠中も自分の判断で抗うつ薬を中止しない
※妊娠中に抗うつ薬を中止した女性10人のうち7人が再発しています
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いかがでしたか?
産後うつは、普段は心が健康な人でも
ホルモンバランスの乱れをキッカケに
環境の変化や育児のストレスによって
誰にでも発症する可能性が充分ある病気です。
事前に予防できれば良いのですが、
もし発症してしまった場合でも治療で必ず治ります!
育児は本当に大変で、 ママは自分の事にかまっていられないけれど、
「心がおかしい」と感じたら必ず周囲に助けを求めてください。
自分の心の声を聞き逃さないでくださいね!
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